※本記事は2017年に執筆し2018年に月刊珠算情報誌「サンライズ」に連載された記事を再編集して掲載しています。
順風満帆の旅のように見えるかもしれませんが、出発前からの体調不良は急激に悪化し腹痛に加え、高熱の症状も出てきます。播州見学後の夜は、兵庫の今井珠算塾・今井智子先生の教室見学・お宅に泊めてもらうことになっていました。せっかくの機会ですが、この体調不良で伺うのは失礼に当たると思い今井先生にお断りの連絡を入れましたが、とにかく来なさい!というお言葉に甘え助けてもらうことになりました。
本来、見学するはずだった今井珠算塾の生徒たちに虚勢を張った声で挨拶をし、教室で荷物だけ預かってもらい近所の病院で診察してもらった結果は、ウイルス性腸炎でした。病院で旅の途中であることを伝えると、吐き気がなく感染はしにくいのでとにかく今日は休んで、旅は続けて良しとのこと。
この時、熱は39.8度まで上がり、寒すぎて近くのスーツ屋の残り物の格好悪くてやけに値段が高いセーターを買い、熱帯夜の中震えながら寝かせてもらいました。そんな中、なんとなく今井先生の怒鳴り声が聞こえてきて「あ、叱ってる…ヨシ!」と思ったことをおぼろげに覚えています。見学へ行って叱ってる姿を見られたというのは、それだけ先生が本気な姿を見ることができたということ(聞こえただけですが)。そんな怒鳴り声の記憶と、病人食を作ってもらったこと、今井先生と全く同じ話し方で「大丈夫~?♪洋服だけ取らせてね~♪」と言いながら部屋に入ってきて顔を見せることもなく去って行ったお父さん(旦那さん)の声の記憶しかありません。初めてお会いする機会でしたが、顔が見えなかったこともあり、今井先生が男になってしまったのかと思う程、雰囲気が似ていたような気がします。今井家は基本リズミカルです。宝塚なので?
朝になるまで、とにかくトイレに通いつめ、今回の旅で一番見た顔は今井先生でも他の誰でもなく、トイレのスリッパのミッキーの顔でした。翌朝も授業の合間を縫って、食事を用意してくださったり、様子を見に来てくださったりと、とにかくお世話になりっぱなしでした。この場を借りて感謝申し上げます。今井家のお嬢さん二人には「一体何しに来たの?」と散々言われました。
今井珠算塾まで行って寝ただけ・・・。ちなみに写真一枚すら撮る余裕がなく、参考画像も一切ありません。
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