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ファストブログ

FaST~プレ開催までの軌跡~④種目ごと・レベルごとに会場を分散

※本記事は2019年10月から月刊珠算情報誌「サンライズ」に連載された記事を再編集して掲載しています。

文化祭・健康診断ルールを採用

縁があって発見・利用することができた渋谷駅前の会場ですが、この建物が巨大で、大小無数に会議室が存在します。これを利用して各種目別競技専用の部屋を用意し、全体で行うペーパー(個人総合)競技の採点・再審が終了した人から「好きな順番で各部屋を回れる」というルールにしました。

読上暗算とフラッシュ暗算の部屋が1部屋ずつと、読上算は全国大

会入賞レベルとそれ以外で1部屋ずつ計4部屋を用意しました。それぞれ録音した問題(フラッシュ暗算は同程度の問題)が出題され続け、文化祭のように好きな順番で回ってもらう、というルールです。単純に空いてるところから周るという健康診断形式でもあります。


どんな選手も朝一番の個人総合競技(本大会では「ペーパー競技」と呼称)にまず命をかけています。その一瞬一瞬を積み重ねたせいぜい10分前後のために当日朝から、前日から、一週間前から、昨年の大会が終わった瞬間から、気持ちを作り練習を積み重ね集中を高めています。話しかけられたり、グダグダした運営トラブルで選手たちの集中を壊したくはありません。

※どんな状況でも対応できるのが一流だ、という大会運営者の意見もありますがそれを大会運営側が言うのは甘えだと思います。この大会では絶対にそんな事は言いません。

また、採点が終われば初参加者や年少者のゆっくりとした採点を待つことになります。高速で採点を終えている実力者にとって、この時間は非常に億劫です。せめてトイレに行って大きく息を吐きたい。できるならば次の種目別競技のために気持ちを作りたい。

さらにできることなら種目別競技の順番も選びたい。そんな選手たちの気持ちをこちらが勝手に汲み取って実現したのがこのルールです。


これにより、動きの早い上級者の行動を制限することなく、選手一人ひとりが大切にしているペースを守ることができます。また、音に敏感な読上種目、見え方に敏感なフラッシュ暗算の有利不利をなるべく排除することもできます。

結果、予定より2時間以上早い進行ができました。


拍手をしなさいよ

個人的に嫌いな所作として、「まだ戦っている選手がいる競技中の座席において次の競技の練習をしている」が挙げられます。本大会ではこの行為を徹底的に排除しようと思ったのも、上記ルールを採用した理由でもあります。


これはマナーでありわざわざ明記すること自体がこの業界の品位を下げる行為でもありますがこの機会に述べておくと、こういった行為は敬意の欠けた利己的な行為、勝利至上主義だと思います。関係のない練習行為は競技中の選手にとっても邪魔になります。

実力者がこれを行っていると入賞した際の拍手をする勢いが下がります。


とある全日本、私が高校生だったときのこと。隣の大人の選手が読上暗算競技中に一生懸命、机をガタガタと揺らしながら数字を書き取っていました。私は1問も解くことができない実力でしたが、反対隣には入賞常連の選手がいました。大人相手だったので勇気を出して「それやめてください。机が揺れて迷惑です」といったところ「だから読上算ではやらないよ」と悪びれずに言っていました。その後も続けていましたが「暗算も揺れたら迷惑だろ!」と怒鳴ったところでようやくやめました。その直後、反対隣の選手は無事入賞。


一昔前とはいえ、この程度のマナーの選手が全国大会の王・全日本にすら混ざっているのです。年上にタメ口で怒鳴っている私も私ですが・・・。


中には表彰式中であっても一生懸命に何かの練習している人がいたりもします。中題通り「拍手をしなさいよ」ということです。拍手は回り回って自分が入賞したときに帰ってくる拍手となります。尊敬されない勝者に心から拍手が送られません。選手たるものそれぞれが尊敬されるに足る器量を持ってほしいものです。


一方で、競技終了した選手が会場外へ退室するのを認めている大会や、一切休憩時間を取らずに進行するためあえてこの行為を容認している大会もあるため、状況に応じて行動を変化させてください。