FaST.png

ファストブログ

FaST~プレ開催までの軌跡~①「計算速度」という共通かつ新しい実力指標

※本記事は2019年10月から月刊珠算情報誌「サンライズ」に連載された記事を再編集して掲載しています。

そろばんの実力は主に検定試験や大会の結果で測ります。しかし、一口に「そろばん3級」や「都道府県一」といっても、多くの試験や大会(中には教室オリジナルで実力に見合わないなものも。。。)が存在する中、その難易度や信憑性はまちまちです。

本大会では正答した問題の文字数から「1秒間に何文字の計算ができたか」を独自の計算式で算出し、賞状として発行・勝敗を決することにしました。これならば大会の勝敗とは別にどれくらいの実力があるのか、というのが可視化されます。




計算速度の算出結果にあたっては、図をご覧ください。

実際はもう少し複雑な計算から速度を算出するのですがこのように、有名大会や検定試験の実力もFaSTと同様の数値化をして、点数・実力を見比べられるようになっています。これにより別々の問題、例えば「全珠連段位検定(7分)」と「全日本(3分30秒)」で練習をしている生徒が対戦することもできます。


選手たちや自分を守るために特許を取得


また、FaSTの賞状が受験や就活に役立ってもらいたいとの思いから、似たようなニセ賞状が発行されるのを防ぐため(例えば1+1=をずっと計算し続けて十段レベルです、というような騙りを防ぐため)この判定方法を全てひっくるめて特許を取得しています。

私の父はフラッシュ暗算を開発しましたが「みんなが自由に使えるように」と商標や特許を取得しませんでした。この考え方は大きな誤ちで結果、「実は私がフラッシュ暗算を作った」と自称する個人や企業が続出。終いには、何の関係もない企業がこのフラッシュ暗算の商標を取得してしまいます。


これによりフラッシュ暗算という名称を大会や検定試験で使えなくなってしまうということになり、全珠連・日珠連といった大連盟を含む珠算界総出の連名で商標の取下請求を行い、商標の取り消しが認められています。これ以外にも、父が作った他のソフトの著作権違反を行ってしまった企業が、自身を守るためにこちら側を訴えてきて(当然勝てるわけもなく)敗訴する、という裁判もありました。それらの結果は特許庁等のHPに掲載されていると思いますので詳しく知りたい方は探してみてください。


裁判には時間も金銭も無駄にかかります。世の中は珠算界のように義で動く人たちばかりではありません。何か新しいことを始める時、初動で失敗をするとこのような金に意地汚い輩との無用なトラブルに巻き込まれかねません。そのため、このFaSTを目標にしてくれるであろう未来の選手や自分を守るために権利関係をがんじがらめにしておきました。


真の日本一の実力を可視化


真の日本一、土屋宏明選手のことですが、知らない人のために紹介を。

そろばん界で二大全国大会と呼ばれる「名人戦」において10期(20年)連続優勝・同じく二大大会の全日本珠算選手権大会において個人総合競技10回優勝・その他全国大会や種目別競技の優勝を含めると日本一取得数100以上(2019年現在)という規格外の実力を持った当代最強のそろばんの選手です。当代と言わず歴代でも最強だと私は思っています。

名人戦で3連覇すると貰える代わりに引退しなければならない「永世名人」の称号受理を初めて断った選手こそ最強であると主張する人もいます。土屋選手は歴代で2人目の、称号受理を断った選手。

その最強・土屋選手の実力をFaSTに特別参加してもらうことで算出しました。土屋選手にわざわざ参加して頂いた理由は、実力差が数値になってわかりやすく現れる本大会において出場選手たちがその実力差を理解し、今後「最強」という目標を定めやすくするため、というのが一点。

また日本一を名乗りにくくするためというのがもう一点です。そろばん日本一を名乗ると一般の人はその人が日本で最強の人物だと思ってしまいがちです。そのために日本一を取得しているのに日本一を名乗らない選手というのも多く存在します。そんな誤解を減らし、日本最強はこの人です!というのを周知したかったのです。

それを踏まえ、土屋選手の実力を数値化したのが図になります。この結果を第1回FaST 優勝者であり全日本珠算選手権大会では優勝決定戦の常連となっている実力者・弥谷選手と比べてみると、かけ2.860/秒・わり4.022/秒・見取0.822/秒の差があります。最強・土屋選手の次に上手いのは誰か?と考えた際に絶対に名前が挙がるであろう弥谷選手でも1秒毎にこれだけの文字数を離されていくわけですから、名人戦や全大阪での土屋選手の異様とも言える強さも納得でしょう。


今回はここまでで中断とさせて頂きます。土屋選手だけでなく他連盟の検定試験や競技大会の計算速度表や、サンプル問題のダウンロード、通信試験や来年の大会参加に向けた会員登録等はFaST公式HPで行えます。興味のある方は是非アクセスしてみてください!