《教材FaSTのラインナップ》
かけ算桁幅特訓『トモロス』
計算途中(キリの良いところまで)の答えと、答えの上半分が書いてあるかけ算です。
途中の答えを確認しながら計算を行うことで・・・
・間違えた段階で計算をやり直せる
・難しい問題の練習をしても計算が滅茶苦茶にならない
・効率良く、大きい桁数の暗算の正確性が増す
答えの上半分を確認しながら計算を行うことで・・・
・計算をしながら答えを書く練習になる
・滅茶苦茶な答えを書いてしまった時に自分で気が付ける
→間違えているのに計算し続ける「ムダ」と、大きな桁数への「苦手意識」を無くしてくれるかけ算です。
左から右にかける「トモロス」と右から左にかける「逆トモロス」があります。
【オススメな使い方】
・採点の待ち時間や指慣らしといった、短い時間に
・ひたすら桁幅特訓をするぞ!という日を作って一日中、トモロス
・他の問題で、出来ないなと思った桁をトモロスで特訓する
あまりざん
わり算の良くないところ、知っていますか?
割り切れる整数のわり算は途中の計算が間違っていても概算で正答することが出来てしまいます。小数のわり算も四捨五入や切り捨てという雑な処理が最後に待っているので、同じく概算で正答することが出来てしまいます。
そういった事情があるため「わり算が上手い=計算が完璧」とは限らないだけでなく、わり算が適当な練習・間違えるための練習になってしまう危険性があります。
そこで作られたのがこの「あまりざん」
・わり算の答えではなく最後のあまりだけを書く問題で、完璧な計算力が求められます。
・通常のわり算の答えは書かなくてOK。通常の答え+あまりを書く練習は、今練習しているわり算に対して難しすぎて、あまり効果的な練習にはならないからです。
・全日本FaST番外競技として採用されています。
【オススメな使い方】
・たまに一回戦(3分)測ってしっかりと間違え直しと埋めをすると、わり算の間違いが減ります。
わり算桁幅特訓『ウルル』
計算途中(キリの良いところまで)の答えと、答えの上半分が書いてあるわり算、トモロスのわり算バージョンです。
途中の答えを確認しながら計算を行うことで・・・
・間違えた段階で計算をやり直せる
・難しい問題の練習をしても計算が滅茶苦茶にならない
・効率良く、大きい桁数の暗算の正確性が増す
答えの上半分を確認しながら計算を行うことで・・・
・計算をしながら答えを書く練習になる
・滅茶苦茶な答えを書いてしまった時に自分で気が付ける
というトモロスの効果に、あまりざんの正確な練習効果も加わるので
→わり算を間違えるための練習にさせずに、ムダなく上達させます。
【オススメな使い方】
・採点の待ち時間や指慣らしといった、短い時間に
・ひたすら桁幅特訓をするぞ!という日を作って一日中、ウルル
・他の問題で出来ないなと思った桁を、ウルルで特訓する
筆算対策「アシスト」
「3ケタの桁幅を」「少しでも早く」手に入れさせるための見取算問題です。全ての計算の答えが一口ずつ書いてあります。
対象は、暗算を習わずに転塾してきた生徒、筆算(不正)を繰り返してしまい暗算力をいまひとつ手に入れられなかった小学校高学年・中学生、小学受験や遠くの学校に通学・習い事が多すぎる等で頭がキャパオーバーしていて暗算力が全く身につかない小学校中学年です。
こうした生徒は、基本的に1桁かあやふやな2桁くらいしか頭にそろばんが思い浮かんでいません。3桁の問題を一口ずつ細かく練習し、時間をかけながら負荷を増やしていくしか上達の道がありません。時間をかける必要はありますが、急がないと暗算力を手に入れられる学年が終了してしまいます。
基本的にすべての答えが書いてあるので意味もわからず答えを写してしまうような年少者には向きません。暗算力が身につかないということは、それなりに年令を重ねているはず。答えを見てしまうことが如何に意味がないかをきちんと伝えた上で取り入れてみてください。
「本番風・全日本&段位」
8/8全日本と全珠連段位のかけ算・わり算・かけ暗算・わり暗算を本番風に作ったものです。色々な本番対策にどうぞ。
【解説】
通常、作問をする場合は「均等数字(同じ数字が隣り合わない、0~9までの数字を概ね均等に使う)」か「乱数(コンピュータ任せの適当な数字)」か「手打ち(作りたい問題を自分で計算して打ち込んでいく)で作ります。
全日本&全珠連段位は、足し算引き算のパターン:
A.10の合成(1+9)、B.5の合成(1+4)、C.10&5の合成(5+6)、D.繰り上がらない数 が概ね均等になるように作問しています。
ここで問題なのが、通常の数字の並びでは「D.繰り上がらない」はほとんど出てこないということ。A~Dを均等回数にしようとすると不自然に繰り上がらない問題がたくさん出てきます。具体的には0やゾロ目がたくさん出て来ることになる→3×200=や3×444=は繰り上がり回数が全て0になるので、こういうそろばんの作問的には不自然な数字の並びで「D.繰り上がらない」を稼ぐことになります。
そして普段そういった問題を練習できていない生徒は点数が下がり、そういった変な問題でも対応できる全国トップクラスの上級者は計算する数が減るため点数が上がってしまうのです。
また、全ての繰り上がりを均等にするのは実質不可能です。そのため、作問にはある程度の揺らぎがあり、その時々で繰り上がりの回数が上下するため今回は簡単だった・難しかったという事態も起きています。
全日本&全珠連段位はこういった難易度が乱高下する不自然に0とゾロ目が多い問題で練習をしなと、本番で困ることになります。
FaSTの問題解説
FaST-D初級
大会に出られない初心者にもまずは「スピード」を。
かけわりは1桁×◯桁=、◯桁÷1桁=の問題しか出題されないため、かけ算・わり算を一通り習い終わっていればすぐに練習を始められます。
慣れてくると無理なく動作の素早さ、数字を書く速さ、8桁までの桁幅、答えを書きながら計算する、といった大会に出ている選手のようなスキルが習得可能です。難しくなったらそろばんでやってもOK。大きな桁数を見慣れておくのも、他の練習でプラスになります。
頭の中の処理速度がそのまま点数となるので検定FaSTの各級合格に必要な暗算力は、強制的に段々速くなっていく『フラッシュ暗算検定試験(日本フラッシュ暗算検定協会主催)』とほぼ連動します。紙の上だけで計算速度を速くすると効率が悪いので、同時の練習がおすすめです。
特に年少者に暗算力とモチベーションの向上が見られ、その後のそろばん・暗算検定試験も目覚ましい速度で合格していきました。すぐに新しい指導を繰り返して新しい計算方法を詰め込むのではなく、そろばん・暗算・数字の扱いに早い段階で慣れてしまうことが大切です。まずはサンプル問題で構わないので、主な連盟のそろばん8級を習い終わったらFaST初級の問題を暗算でやらせてみましょう!
FaST-C中級
「普通のそろばん」から「選手」へ。達成感を育てる。
そろばんを習わせてくれている保護者の方は暗算ができるようになって欲しいと思ってそろばんを始めさせてくれているに関わらず、多くの子はこの問題をクリアできる前にやめてしまっていませんか。
2×2桁の暗算が完璧に計算出来るようになるには、1時間かけても良いから4×4桁が暗算でできるようになっている必要があります。検定FaSTの中級では「暗算3級~四段」の設定になっていますが、最後まで計算できれば高段位レベルの暗算力が身につきます。
凄い人を育てる練習教材であると同時に、そろばんを「普通に」習ってくれた子供たちの、「最低限の出口」を引き上げようとする問題です。そろばんで練習する場合は主な連盟の5級指導が終わっていれば全ての問題に挑戦できます。
低段位の生徒さんは最後まで計算を行うことで主な連盟の十段習得に必要な桁幅の習得を目指すことができます。2✕3桁の次に2✕4桁の問題が入っているのもポイントで、次に現れる「答え6桁」と、後半に現れる「✕4桁」の桁幅に慣れてもらいステップアップがしやすいようになっています。
最後の4×4桁は普通に練習しているだけだと暗算で埋めるのは難しいので、かけ算桁幅特訓「トモロス」の練習を挟むのがオススメです。
見取算は分割をしないでやってみましょう。4桁の桁幅が手に入ります。
FaST-B上級
「凄い人になってきている」という実感と「ここで終われない」という心を育てる。
全国大会のかけ暗算・わり暗算で多く採用されている3桁✕3桁をスラスラ計算できるようにするのを第一の目標とし、多くのかけ算わり算で採用されている6×5桁の問題を解けるようにするのがその次の目標となります。見取算にはマイナス計算が容赦なく現れ、口数も長くなっていきます。この問題が解ける人は間違いなくそろばん上級者でしょう。
この問題だけでなくもっと簡単な問題を答えを書きっぱなしで計算する練習や、かけ算桁幅特訓「トモロス」でもっと大きな桁数の練習を入れることで更に対応力を上げていきましょう。
FaST-A超上級
そろばんに全てを懸けて臨んだ人だけが到達できる壁
上級までの「最初は速度重視・後半は桁幅重視」の出題方式ではなく、現在の全国大会で主流となっている桁数、またはそれ以上に難しい桁数に全力で臨んでもらうための問題です。
かけ算は、計算以外の処理をなるべく廃して純粋な計算力だけで戦えるように設定されています。一方で、ほとんどの大会では出題されない7×7桁が最後に待ち構えており、満点取得を阻みます。
わり算は割り切れる整数の問題ですが、かけ算に暗べて桁数が2つ多く設定されています。この問題に挑戦する選手にとって絶対に必要な技能「省略」を用いる前提で作問されているからです。
見取は、近年全国レベルの選手にも不足している長い口数を引っ張り切る力の復活を目指して極端に長めになっています。また、一括計算を続けることで見取算の桁幅を増やせるような問題配置をしています。3桁に逃げず、4桁・5桁に挑戦しましょう。
もし満点取得者が現れた場合、次のレベル「FaST-S挑戦」を用意しています。挑戦者求む。