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ファストブログ

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FaST~プレ開催までの軌跡~⑦他の大会の良い所全部載せ

※本記事は2019年10月から月刊珠算情報誌「サンライズ」に連載された記事を再編集して掲載しています。

 

A.基本は全日本ユースと全大阪オープン

 

上記大会の進行といえばスピード感のある進行。両大会で司会をされている金本和祐先生の緊張感とユーモアが混在した、型にとらわれない進行は大会運営者・選手・観覧者、どの視点に立って見ても素晴らしいものだと感じていました。

また、両大会は個人総合だけでなく種目別としてかけ・わり・見取・かけ暗・わり暗・見暗・(伝票・伝暗)の決勝が行われ、得意種目が特化している人にとってはチャンスが多いのも特徴です。FaSTのルール作りはこれらを母体としてスピード感のある進行とチャンスの多さを念頭に組み上げられていきました。



 

B.トップが明確で迷わない(クリスマスカップ・オールジャパン)

 

政治は、「為政者の数が3分類」×「善悪の2パターン」の全6種類あると言われています。

具体的には王制>貴族制>民主制>衆愚制(悪い民主制)>寡頭制(悪い貴族制)>独裁制(悪い王制)の6種類です。多くの国々・組織ではリスクを回避し、後継者問題を排除した民主・衆愚政治を採用しています。

クリスマスカップやオールジャパンでは高柳和之先生・菊地正芳先生という理念がハッキリとした主催者がおり、何か問題が起きたときも鶴の一声で全員が従い、責任が生じた際はその分主催者が被ります。

逆に民主制を採用すると、多数派に当初の理念が捻じ曲げられたり、大きな問題が起きているのに誰も責任を取りたくないために揉み消したり、問題の解決に時間がかかったりといった問題が起こります。

決断力とスピード感、責任感が大会には必要であると考えたため、他の先生方の意見を頂戴することはありつつも最終的な判断、特に当日の判断は自分で行うと決めていました。


 

C.オープニングは全日本

 

全日本珠算選手権大会のオープニング(と今はない次年度開催地発表)は私が作っています。ノウハウはバッチリ持っているし、全員を表彰してあげることはできないけれど、選手全員の紹介はしてあげたいという気持ちがあったので全日本っぽさを残しつつも大幅に雰囲気を変えたオープニングを作りました。曲と動画のテーマは、各々の課題をクリアした人達が楽しく戦っているイメージ。ゲームのクリア後ステージのようなイメージです。使用権を買う形の楽曲を使用しているため、このオープニングはYoutubeにアップロードしています。是非、自宅でもご覧になって自分の名前があることを自慢してもらえればと思います



 

D.エンディングは全日本ユース

 

全日本ユースのエンディングは高柳一馬先生が毎年作っており、15歳で大会を卒業する(大会出場権を失う)選手一人ひとりの名前と写真が出てくる中、音楽に合わせてメッセージが表示されます。一生懸命頑張ってきた人たちを前に、それを出し切った場での熱いメッセージは会場にいる人全員に強烈に突き刺さります。

本大会では、ユースのように積み上げてきた歴史がないためそのような感動を生む台詞というのは考えつかなかったのですが、「第一回大会に出場したことを自慢できるような大会になります。また来年お会いしましょう」で締めました。第1回から2019年までの全クリスマスカップに出場してきたことを今現在生徒に自慢できている自分みたいな選手がFaSTからも出てきてくれることを願って。

E.英語読上算全国大会の検定システム

鈴木功二先生主催の英語読上算全国大会では、予選で正答した桁数の賞状が発行され、実質的な検定試験と嬉しい参加賞を兼ねています。本大会でもフラッシュ暗算・読上算・読上暗算の正答した問題の正答証明書を発行するとともに、この大会の要でもある計算速度証明書をかけ・わり・見取に発行しました。これにより「出ただけ」の選手が出ないよう配慮し、気持ちよく上達・入賞を目指してもらいたいと考えました。このシステムは6月28日開催の「Flash Anzan World Championship 2020(フラッシュ暗算世界大会)」でも採用予定です。


 

F.村田女子の線引き

 

正式名称:女子小・中学生珠算選手権大会。現在の上1下4玉のそろばんを考案した村田謙造先生が創設した高校主催で、私の妹2人・叔母も卒業生です。この大会の読上種目は一算落としなのですが正答している選手と競技終了した選手を分けるために長い紐を用います。体育館の両端に長い紐を持った会場委員がおり、1問ごとに前進。正答を続けている選手はその紐よりも前に着席するというシンプルで時短なシステムを採用しています。

本大会は自由な順番で種目別競技に挑戦してもらい、フラッシュ暗算の競技をしている部屋の後方を待機スペースとして開放したのですが、徐々に競技終了した人が増える中、紐より前が競技席・後ろは観覧席、と特に指示を出すことなく指示を済ませられました。

※ちなみに村田女子は今年をもって女子校と商業化を廃止するそうです。



 

G.育ちの場としての全国大会(七夕やクリスマスカップの~2017)

 

クリスマスカップ(F1)がかつて担っていた、中・上級者育成の場としての全国大会を行おうと思っています。問題を簡単にすると、出場者が増え過ぎて会場が確保できなくなったり、実力者の勝敗を決めにくくなったりします。一方、FaSTでは問題のレベルを一人ひとりが選ぶことができるので、中・上級者も参加することができ、前述のルールによって実力が違う人同士でも邪魔になりません。現状、会場の大きさにも困っていないので、できる限り間口を広げられればと思っています。

また以前、一般の方にそろばんの日本一が決まった瞬間の動画を見せたら「凄いけど、拍手だけで暗い。もっと盛り上がって褒めてあげればいいのに」と言っていました。全国大会の決勝を本来見るべきなのはそろばんを一生懸命にやっていて、でも本当の実力者をまだ知らない中上級者やその保護者だと思います。実力者を見て、自分の教室や先輩はこんなに凄いんだ・自分もこうなりたい・我が子もこうなって欲しい、と思ってもらい、代わりにその分盛り上がって勝者を称えてもらえる場になれればと思います。

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